kawaguchi-shika’s blog

福岡県大牟田市にある歯科医師のブログです。歯を残す治療に力を入れて勉強しています。 歯科や健康に関する様々な情報を発信していきます。

「歯ぐきから膿がでている、なんとか歯を残したい」~大きな病変がある歯を外科治療で保存できるか~

患者さんの主訴は、

「歯ぐきから膿が出ている、噛むと違和感がある」

根管治療を何度か繰り返した既往がある

 

サイナストラクト(膿の出口)が出来ている

造影性のある材料を挿入しレントゲンを撮影した

材料の先は銀歯の根を示している。膿の原因は銀歯にありそうだ。

 

CBCTを撮影した

銀歯の根の先には大きな病変(歯の中の細菌が外に出ることで免疫反応が起こり、歯の周りの骨が吸収した状態)があり、隣の歯を巻き込む大きさになっている

解決方法は、病巣である歯の中の細菌を減らし、それを持続させること

 

外科治療(歯根端切除術)を行うための分析を行った

根尖から3mmの位置の断面を計測した

手術の難易度はそれほど高くないと判断し、歯根端切除術を行った(R5.3月)

9か月後にリコールを行った(R5、12月)


CBCT 初診時VS9カ月リコール

骨の再生を認める

口腔内ではいかなる症状も認められなかった

治癒の方向へ進むことが出来たのは、歯の中の細菌を外科治療で閾値以下に減らし、それを維持することができたと考える

 

これだけ早い時期に骨の回復をされていることに驚いたと同時に、歯内療法の力を患者さんと共感した

 

外科的歯内療法は歯を残す最後の一手になるかもしれない

 

<非外科的歯内療法&外科的歯内療法は自由診療で行っております>